ロードスターカップ 2016第3戦 NA/NBレース

前戦よりおよそ3ヵ月以上の長いインターバルを挟んで、ロードスターカップNA/NB第3戦が、夏真っ盛りの8月20日(土)に開催された。開幕戦は雨、第2戦はドライでのレースだったが、この第3戦は予報から雨の確率が高く、やはり予選決勝とも、ウェットコンディションでのレースとなった。

今回はなんと現役スーパーGTドライバーの松井孝允選手がスポット参戦! マシンは昨年のNA6クラスのチャンピオンマシンNA6#7。国内トップドライバーはチャンピオンマシンでどんな走りを見せてくれるのか? 迎え撃つ現役ドライバー勢とのバトルも非常に楽しみだ。

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■予選

路面はフルウェット。若干の小雨が降り続くものの、走るほどにコンディションが良くなっていきそうな中、NA6=6台、NA8=2台、NB8=6台合わせて14台がコースイン。NA6クラスのPPは、2連勝中の♯23山川が2’20.016のタイムで奪取。ここはレギュラードライバーの意地を見せたかたち。注目の♯7松井は0.588秒遅れて2位。間に他クラス3台が入り、決勝での逆転にはちょっと厳しい展開か。3位の♯76辻本、4位の♯10榎園までが21秒台。5位に♯27野木と続き、前戦より数年振りにレース復帰の♯73高橋までで22秒台と僅差の戦い。

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2台のみの出走と今回も寂しいNA8クラスは、♯88山田が2’19.494のタイムで3戦連続のPP。総合では2番手タイム。ほぼ毎戦ドライバーが変わる♯39は、元S耐ドライバーで、富士フレッシュマンレース時代から数えて25年振りに参戦の、人見が搭乗。

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今回、♯11戸田と♯76赤石沢が欠場となり、出走6台と寂しいNBクラス。難しいコンディションの中、初のPP、総合でもトップを奪ったのは、自身でもびっくり、最年少の♯77鈴木。2’18.637と、一人18秒台に入れる素晴らしいタイム。2番手に開幕戦の勝者♯91神谷、3番手に第2戦の勝者♯21山平、3番手に♯26三橋と続き、この3台が20秒台前半でほとんど差がない状況。実力者を後ろに従え、未だ表彰台すら経験がない鈴木が逃げを打てるか、注目が集まる。5位に久々の参戦となる♯84大矢、6位♯12東と続く。

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■決勝

決勝が近づくにつれて雨脚が強まり、スタートが5分延長。更にはSCスタートに決まる。ドライコンディションではKUMUHO V700のワンメイク状態となっているRSCだが、今回のウェットコンディションではKUMUHOのV700、V720、BSのRE-71Rなどタイヤチェイスが分かれた。それぞれの思惑が交錯する中で、SCランが延長されていく。この間も周回数はカウントされるので、スタート後は超スプリント戦になることは必至。

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3周目300RでSC滅灯。PPの鈴木がペースコントロールし、4周目、残り6周でレーススタート。しかし、雨脚は強いまま。逃げたい鈴木だが、山田もピタリと背後につける。その後ろ、NA6トップの山川、NB8の2~3位、神谷、山平と続き、注目の松井はこの周で三橋を抜いて山平の背後に。各所でスピンやコースアウトが頻発し、予断を許さない状況。

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人見が高橋をパス。その翌周、満を持した感で山田が鈴木をパナソニックコーナーでオーバーテイク。同じ周に山川が1コーナー手前でスピンしコースアウト。復帰するも、NA6クラストップの座を松井に明け渡す。山川は辻本の前、クラス2位のポジションは死守。

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6周目には、松井がアドバンコーナーで神谷を、第13コーナーで鈴木を抜いて総合2位にまで躍進。更には山田との差も狭めてくる。

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鈴木は神谷と三橋に抜かれてNB8クラストップの座を明け渡す。一度はクラストップにたった神谷だったがコカコーラコーナーでスピン→後退。これでクラストップは三橋となりめまぐるしく順位が入れ替わる。

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残り2周となった時点で、更に雨脚が強くなってくる。山田を追撃するかに見えた松井だったが、やはり豪雨の中V700ではBS勢に対抗できずストレートで三橋にパッシングされる。そしてファイナルラップ、三橋はトップの山田との差も詰めてくるが、わずかに及ばず山田が逃げ切ってトップチェッカー。

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僅差で総合2位となった三橋はこれが嬉しいNB8クラス初優勝となった。2位はこれも初表彰台の鈴木。PPだったが、初優勝は次回以降に持ち越し。スピンして後退していた神谷が、最後の周回で山平を抜いて3位の座を確保。その後ろに東、ピットスタートとなっていた大矢と続いた。

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NA6クラスは本当に見事なレース運びで松井が優勝。難しいヘビーウェットのコンディションの中、V700を履いていたにもかかわらず総合のファステストラップを叩きだしトップに迫った走りは正に圧巻! 正に現役GTドライバーに相応しい活躍ぶりであった。2位に連勝ストップとなった山川、3位辻本、4位榎園、5位野木、6位高橋の順となった。

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NA8クラスは、開幕戦の雨の総合優勝の再現で山田が3連勝。これでいち早く、初のシリーズチャンピオン確定となった。人見は愛息子と一緒に表彰台に登壇し、嬉しそうであった。気になるシリーズポイント争いだが、NB8クラスは手堅く全戦表彰台の神谷が44ポイントでトップ。今回欠場の戸田と、山平が30ポイントで続く。NA6クラスは山川が55ポイントで、2位の辻本27ポイントを大きく引き離している。次戦第4戦は「Be a driver. Experience at FUJI SPEEDWAY」で特別戦として開催される。

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