ロードスターカップ 2016開幕戦 NC/NDレース

2016年4月3日(日)の富士スピードウェイ。
富士チャンピオンレースロードスターカップNC/NDレースの2016年シーズンが開幕した。

ロードスターカップNC/NDレースは、タイヤ・パッド以外ほぼノーマルの車両で競うチャレンジクラスと、車高調・デフ・エアロパーツ等改造範囲がやや広いオープンクラスの2クラスで、今年も年間5戦のシリーズ戦を戦う。今年のレギュレーションの主な変更点は、NCオープンクラスはエアロパーツの選択肢が広がったこと。NCチャレンジクラスはタイヤがパーティレース指定タイヤであるブリヂストンポテンザRE-71R指定となったこと。そして、新型のND型ロードスターのクラスが今年から本格スタートしたところが一番のトピックである。

今年の初戦となる開幕戦は、NCオープンクラス4台・NCチャレンジクラス2台・NDチャレンジクラス2台の計8台がエントリー。NCオープンクラスは昨年のシリーズチャンピン1号車高橋、昨年は怪我により最終戦を欠場しチャンプを逃した実力者8号車菊池、1年ぶりの参戦となるベテランの16号車横山、参戦3年目を迎え今年はポイントゲットを狙う25号車橘川の4台。
NCチャレンジクラスは残念なことに2年連続チャンプの71号車登坂、昨年のシリーズ2位70号車内海、NCレーススタート年から参戦のベテラン18号車らんまんの3人が欠場。昨年の最終戦で嬉しい初入賞を勝ち取り、今年はRHT車両からNR-A車両に乗り換えた22号車中桐と、昨年最終戦でレースデビューを果たした女性レーサー87号車坂田の2台が参戦。共に初優勝を狙う。注目のNDチャレンジクラスは、富士のロードスターレースで長きに渡り活躍してきた21号車新井が、昨年参戦したデミオレースからロードスターに復活参戦。3号車寺下は残年ながら欠場ということで、NDチャレンジクラスは1台のエントリーとなった。

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■予選

昨シーズンは半分に当たる2戦が雨だったこのレース。この日も朝から生憎の雨模様で、予選を迎えても天気は雨・路面はフルウェットの状況。NC/NDレースの前に行われたNA/NBレースでの路面や空気圧等の情報収集も含めて予選の準備を進める参加者。

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NC/NDレースはデミオレース・N1000Vitzレースも加えた5レース・総勢18台の混走で予選が行われる。皆がコースインする頃には雨は小雨になるも、路面はウェット。
20分の予選は約8周のタイムアタックが可能。周を重ねるごとに乾いてくる路面を狙い後半勝負が定石だが、後半雨が強くなってくるリスクもあるので、勝負どころが難しい予選となった。まだ雨の残る前半、NCオープンクラス勢のトップタイムは8号車の菊池、続いて25号車橘川、1号車の高橋・16号車横山と続くが、雨足が弱まってきた後半、1号車のチャンプ高橋が2位に1.6秒もの差をつけトップ逆転。ついで8号車菊池、25号車橘川、16号車横山と続いた。

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NCチャレンジクラスは、予選前半ストレートからTGRコーナー(1コーナー)でハイドロを起こし大スピンを喫したところから気持ちを立て直した22号車中桐がトップタイム。初のウェットでの予選となった87号車坂田が続く。

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NC/NDレース予選で最も魅せたのがNDチャレンジ21号車の新井。
前半タイムが上がらない新井が予選も終盤になって気づいたのが、NDロードスターに搭載されているDSCスイッチ。これがONになっていて走りに精彩を欠いていたのだ。
DSCスイッチをOFFにした新井は一気にタイムを更新し総合3位に食い込み、ドライバーの実力と共にNDロードスターのポテンシャルも見せつける予選となった。

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■決勝
コンディションは変わらず雨・ウェットで迎えた決勝は9周で行われた。
NCとND、そしてデミオ・N1000Vitzが混走のレースは、同レース・クラスのライバルはもちろん、それ以外のクルマとの駆け引きも大きなポイントなる。ポールポジションからの逃げきりを狙うNCオープンクラストップの7号車高橋、眼前のライバルをスタートでかわそうと狙う8号車菊池がフロントロー。2列目にはNDチャレンジクラストップの新井とNCオープン3位の25号車橘川という上位陣のグリッド。
フォーメーションラップ終了、グリーンフラッグ。

スタート!!

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全車好スタートを決めグリッド通りの順位でTGRコーナー(1コーナー)をクリアするも、その後1号車高橋のペースが上がらず順位を落とす中、トップに躍り出たのが8号車菊池。
オープニングラップは菊池に次いでNDチャレンジ21号車新井・NCオープン1号車高橋・16号車横山・25号車橘川、N1000Vitzを数台挟んでNCチャレンジクラスの22号車中桐・87号車坂田という順位となった。
迎えた3周目にNDチャレンジ21号車が順位を落とし、NCオープン1号車高橋・16号車横山が順位を上げ、8号車菊池・1号車高橋・16号車横山・25号車橘川の隊列に。

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ここから数周膠着状態となるが、トップ8号車菊池にジワジワと迫る1号車高橋。
6周目にはその差が遂に1秒以内の0.7秒差、7周目には0.4秒差になり迎えた8周目、トヨペット100Rコーナーで菊池に並びかけた高橋がダンロップコーナーでインに飛び込み遂に菊地をかわすも、その立上りでクロスし即逆転。100Rからダンロップへの位置取りからすべて計算通りと思える見事な駆け引きの菊池。
8号車菊池・1号車高橋の順で迎えた最終ラップ。優勝を諦めない高橋がストレートスリップからTGRコーナー(1コーナー)の飛び込みで菊池をかわすもオーバーラン、8号車菊池に再逆転を許したが、トヨペット100Rコーナーからダンロップコーナーで菊池をかわし遂に逆転。
高橋の優勝かと思われたプリウスコーナーアプローチで1号車高橋が痛恨のミス。姿勢を乱した隙を8号車菊池が逃さずに逆転しそのまま優勝となった。

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総合トップの8号車菊池が優勝、準優勝の1号車高橋、3位の16号車横山がNCオープンクラスの表彰台、続いてNCオープン4位の25号車橘川、続いてNDチャレンジクラス優勝の21号車新井、NCチャレンジクラスで嬉しい初優勝の22号車中桐、続いてNCチャレンジクラス2位の87号車坂田の順でゴールとなった。

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NCクラスがオープン・チャレンジ2クラス制となって3年目の今年。
開幕戦惜しくも2位となった1号車のチャンプ高橋が「残り全部勝つ」と雪辱を期しているNCオープンクラス。

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昨年のシリーズ上位メンバーと共に他レース参戦者も参戦が予想されるNCチャレンジクラス。
既に次戦参戦を予定しているNDが数台いるというNDクラス。
ロードスターカップNC/NDレースは今年も盛り上がりそうだ。

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